平均的な人

平均的な人なんてどこにもいない 平均身長と平均体重の人がいて その人が平均的な価値観を持っていて 平均的な考え方をしているなんて そんなことは ありえない 日本人男子の平均身長は170センチ 身長分布では標準偏差が6センチで 164センチから176センチの間に 68%が含まれ 158センチから182センチの間に 95%が含まれる だからって155センチの人を高くしたり 185センチの人を低くしたりはしない 健康診断の数値がすべて基準範囲に入っているという そんな人もいるのかもしれないけれど 大抵は基準範囲を少し はみ出して 要注意とか異常とか 言われてしまう ひとりひとり からだが違い 体質だって違うのに 大きな人も小さな人も一括りにして 基準範囲に入っていれば健康で そこからはみ出したら不健康というような いい加減な判断で 健康な人に病気というレッテルを貼り 基準値に入るまで治療をするのが 医療だとするならば そんな医療は 受けたくない 人を属性から観察し 平均的な人などという いもしない人を妄想し 健康を数値で測ることに慣れ それで人を区別する それがおかしいと言うと まるで悪人のように扱われる おかしいのは統計学者や医者ではないのか それとも 僕が間違っているのだろうか